概 要
これから15年、新たな地域医療構想の中で医療提供体制は入院・外来という類型から入院・外来・在宅という類型へと変化します。そのような大きな構造変化に対して医療・介護の中心的な提供主体たる医療法人は今までのままで、はたして事業永続性を確保できるのでしょうか、そして、ノスタルジー法人にならないためにはどのような視点が必要なのでしょうか。介護保険制度創設時と同じように、新たな参入者・営利型が出現している状況、あるいは国が強く推奨している地域医療再編のための地域医療連携推進法人の存在感も徐々に増している状況の中で変化という時代背景にも考慮が不可欠であり、また、医療人の信念としては素晴らしい我が国における医療の非営利性、武士の矜持のような価値観は維持すべきかどうか、非営利ゆえに定められている医療法人の配当禁止や持分の否定は、これからの医療法人運営の足かせとならないのかという問いにも回答の道筋をつけておくことが必要です。明らかに地域医療再編の一環として始まっている医療法人の経営再編事例も目に見え始めているからです。
医療法人提供体制そのものの再構築に関連して、一方で医療法人の経営内容の開示や運営規制の更なる強化が行われる可能性があり、他方において事業内容の見直し・拡大、要件の緩和が行われる可能性もあるかもしれず、今だからこそ、医療法人制度の総復習が必要であると考え、このテーマを設定し、長い年月、病院開設型医療法人の経営に関与するとともに、医療法人制度改革にも直接的な係わりを持ってきた公認会計士として医療法人理事長並びに経営幹部の皆様を対象に解説させて頂きます。
なお、タイムリーな情報提供に重点を置いておりますため講義内容の一部を変更する可能性があることをご了解ください。